。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
戒の背中いっぱいに描かていたのは、虎の彫り紋。
猛々しい白い虎が鋭い牙を向いて口を開いていた。
鋭い爪をむき出した前足がかたっぽ前に出されていて、まるで今にも襲い掛かってきそうな迫力だ。
「「―――――!!!」」
リコと千里が同じタイミングで息を呑んだのが分かる。
戒はそのままの格好で目を開いて固まっていた。
「い……いい紋お持ちで……」
あたしは間抜けな声で思わず漏らした。
「どーも……」
戒はちょっと恥ずかしそうに目を伏せると、シャツを直した。
ってか!そんな問題じゃな~~~い!!!!
「お前、やっぱり虎間!!?」
「トラマってこないだ助けてくれた人!?」
リコが戒を指差して叫んだ。
戒はリコににっこり微笑みかける。
ちょっと引きつってはいるが、やっぱりいつものメガネの笑顔そのもので。
てか、やっぱ同一人物―――!!!