。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。



でも―――



でもあたしは知る権利がある。




「言ってみろよ。叔父貴は盃を交わすことに、何か条件を出したんだろ?それがあんたが龍崎家に居候してる理由に繋がるんだろ?」


「ふぅん。意外と頭が回るじゃん。って言うか、龍崎 琢磨を知り尽くしてるって言ったほうが正しいのか?」


戒は唇の端をちょっと吊り上げて挑発的に笑った。


こいつの挑発に乗っちゃいけねぇ。


あたしは本当のことを聞かなきゃならないんだ。



戒はタバコを挟んだ方の手で器用にコーヒーのグラスを持った。


ガムシロもミルクも入れてない―――まるでこいつの腹の中と同じ真っ黒な色だ。


あるいはあたしの機嫌の色かもしれない。



トン



と小気味よい音を立て、グラスをテーブルに置くと戒は鋭い視線であたしの方をまっすぐに見てきた。









「白虎会現当主には三人の息子がいる。その息子一人を白虎から差し出し、青龍の娘と婚姻関係を結ばせ、より一層親密な繋がりを結ぶ―――



それが奴の出してきた条件だ」




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