。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「てんめぇ……殺す気かよ」


涙目になった戒がうずくまりながらあたしを睨んできた。


こ……怖い……


「ご、ごめん……ってか、そんなに痛いの……?」


「………聞くな…」


眉間に皺を寄せ、戒が顔を伏せる。


だよね…


ってかこの技を使ったのは初めてだったけど、かなりの打撃を与えられるんだな……


ま、男限定だけど。


だけど―――戒の暴れ下半身を押さえ込むのには、絶大な効果があったようだ。









戒が回復するとあたしたちは二人揃ってカラオケを出ることになった。


支払いは戒がしてくれた。


バーバリーのコートと言い、こいつ金持ってんだなぁ。


ってあたしの考えをよそに、戒はムスッとしかめ面。


そんなに効いたのかよ…急所蹴り……


そんな不機嫌な戒を連れて、あたしは龍崎家に帰る家路を急いだ。


ってか、家でもこいつと一緒なんだよなぁ。


あたし……大丈夫かな……


「あ……でも…、何でお前叔父貴の養子になってまで、龍崎家に来たんだ?キョウスケみたいにふらっと現れても良かったんじゃね?


何でしちめんどくさい養子縁組なんて…」


養子縁組の仕組みは良く知らないけれど、手続きとか色々大変そうだ。











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