。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ドキリ―――――………
とあたしの心臓が大きく跳ねた。
戒の笑顔がまっすぐで淀みなくて―――そういうところがかっこよくて、不覚にも見惚れた。
そんな顔で言うなんて卑怯だよ。
何にも逆らえなくなる。
気持ちが揺れる。
あたしは戒の視線から目を背けると、
「“黄龍”は叔父貴だ。やっぱあんた叔父貴を好きなんじゃん」
と呟いた。
「ふ~ん、やっぱそうなるのか」
戒はのんびりと答えると、両手を頭の上で組んだ。
ちょっと含みのある、笑顔を浮かべている。
「ま、いいや。とりあえず帰ろうぜ。
龍崎家へ」
あたしは戒の言葉に顔をぱっとあげた。
こいつをもうライバルだとは思わない。
でも
こいつは知ってる―――
黄龍が
つがいの龍であることを―――