。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

開いた口が塞がらないとはこういうことか……


お嫁さん!?


あたしはメガネの可哀想な境遇を語るあいつに同情さえしてたってのに。


戒の演技力にすっかり騙されてた!!


「お前マジで俳優になれよ。顔も良いから結構イケるんじゃね?いかにも世渡り上手な処世術も身につけてんし」


「はぁ?そんなんヤだよ。俺ぁ生まれついての極道だ。それ以外に考えたこともないし、考えるつもりもないね」


戒は何言ってんだと眉間に皺を寄せた。


そんなはっきりと胸張って言えることか…?


でもそういい切った戒は何の疑いも持ちえてなく、それでいて疑いを持つ余裕もなくまっすぐで眩しかった。



あたしは……



普通の女の子になりたい、とかやっぱり何かの拍子に思うし。


極道であることをリコやクラスメイトに隠してる。



戒の言葉は


「別に恥じることでもないね」


と言ってるようだった。





あたしはあんたの―――



生き方が少し羨ましくて……




それでいて、不覚にもかっこいいとさえ思ってしまった。








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