。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。



「お嬢、ホントに飯はいいんですかい?」とタクが心配したように声をかけてきたが、あたしはそれを丁重に断った。


「考え事したいから、誰もあたしを呼ばないで」


そう言い置いてあたしは風呂に入り、それが終わると自分の部屋に引きこもった。


「おい!お嬢が飯食わないなんてどんな風の吹き回しだ!?」

「学校で何かあったんじゃ!!」

「まさか苛め!?」

「んなことあるか!お嬢だったら返り討ちにしてるぜ」

「じゃ恋の悩み!?」

「お嬢が誰かに恋!!?」



部屋の外でわあわあ声が聞こえたが、あたしは聞こえないふりをしてケータイを開けた。


叔父貴に貰ったピンクのケータイ。


待ちうけに、叔父貴とのツーショット写メを設定してある。






叔父貴……





叔父貴はあたしを裏切った―――?



いや裏切りなんて最初から存在しない。



だってあたしたち、そんな関係じゃないもん。




でも





「お前を……


閉じ込めて置きたいな。


誰にも見せない。


誰にも触れさせない。



俺だけの……


そんなことができるんだったら、いいのにな」




叔父貴はそう言った。


だったらそうしてよ!!


あたしを閉じ込めて一生離さないでよ!!!






だけどそれは全部




嘘―――だったんだね。









< 314 / 558 >

この作品をシェア

pagetop