。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
サボり―――なんて初めてだ。
どこへ行けばいいのかなんて分からなかったし、行く当てもない。
何となく都心の方へ向かっていく電車に揺られ、何となく思いついた駅で降りた。
平日の昼間だってのに、制服を来た明らかにサボりだと思われる男女が意外に多いことにびっくりした。
「どーする?」
当てもなく歩いていたあたしの隣で戒がのんびり聞いてきた。
「どうって…何にも考えてないや」
「んじゃとりあえず腹ごしらえでもする?俺腹減った」
「あー…じゃさっきマック見たからそこに行く?」
「マック…てマクドのこと?」
「は?何マクドって」
「マクドナルド。大阪じゃマクドナルドはマクドだ」
「はぁ!?何それじゃぁケンタッキーは?」
あたしは戒の顔を見上げた。
「ケンチキ」
「何だよ!その検知器みたいな言葉は!!ケンタに決まってンだろが!!!」
思わず口答えをする。
「ちっちゃい“つ”なんてどこにも入ってないだろ?何だよその略しかたは。じゃぁミスドは“ミッス”なんかよ」
戒が顔を歪めて食い下がる。
「ミッス……確かに言わねぇな…」
うむむ。なるほど。
「んじゃ“マクド”で決まりやな♪」
「“マック”だ!こっちに居るんならこっちに染まれよ!!」
あたしは思わず怒鳴った。