。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

あたしの暴言に戒は気を悪くした様子もなく、ふっと優しく微笑んだ。


「やっといつもの朔羅らしくなったな」


そう言って優しく頭を撫でられる。



もしかして……


あたしがいつまでも元気がないと思って、わざと?


ふてぶてしくて、態度でかいけど―――こいつはこいつなりにあたしを気にかけてくれてるんだな……



あたしはちょっと笑った。


「じゃぁ“マック”で決まりだな」


「はぁ?マクドだろ」


「マック」



あたしたちはどつきあいながら、マクドナルドに向かった。


マックで顔を向き合わせてハンバーガーを食べた。


あたしはチーズバーガーにオレンジジュース。戒はダブルバーガーセットにナゲットを追加注文してた。


がつがつ食べる戒にあたしはげんなり。


「ってか、相変わらず良く食うな。見てるだけで胸焼けしそ」


「高校男児の食欲なめんなよ。ってか日本のハンバーガーは小さすぎだ。半バーガーかっての!!」


ムカムカと怒りながらも戒の口は止まらない。


あたしはオレンジジュースのストローに口をつけると、目の前で食事を続ける戒をちらりと見た。


「……アメリカ留学してたのってのはホントの話なんだ」


「当たり前だろ?嘘は言ってねぇよ。まぁ人格を嘘ついてたのは変わりねぇがな」


そこが一番問題じゃねぇか。


てか、存在自体が嘘であって欲しかったぜ。


ま、今となっちゃ突っ込む気力もないけど。




「ふぅん、何でアメリカなんかに?」


あたしは何気なく聞いた。













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