。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ホテル!?
どれぐらい歩いただろう。
たぶん20分も経ってないときだ。
当てもなく繁華街をうろついていると、
「ちょっとあなたたち」と声を掛けられた。
あたしたちは揃って声の方を振り返った。
見慣れない大人の男の人と女の人。
二人とも真面目腐った顔を揃ってしかめている。
「私たちは警視庁渋谷警察署の少年課の補導員です。君達学校は?それ制服でしょ?」
ゲ!警察!!補導員!!!
やっばー!!
「あ…えーと」あたしはあたふたして言葉を濁らせた。
サボりなんてしたことねぇからどんな言い訳すればいいのかわかんねぇ!
戒はあたしの手をゆっくり離すと、
「僕たちは私立中央学院の生徒です。今日は学校が創立記念日なのに、僕ら間違えて登校しちゃって」
と笑顔でさらりと答えた。
ってか!学校名も創立記念日ってのも全部嘘。
こいつ…すっげぇな。ここまでスラスラ嘘が吐けるなんて。
さすが二重人格!!
「そう?では学校に問い合わせてみます。ちょっとそこで待っててね」
女の方が携帯を取り出した。
男の方はまだ疑っているのか、じっとあたしたちを睨んでいる。
戒が屈んであたしの耳元で囁いた。
「逃げンぞ」