。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
だけど言ってしまった後で撤回するわけには行かない。
女に二言はない!!
てな具合であたしは覚悟を決めた。
大丈夫!こいつが手を出してこようとしたらぶっ飛ばしてやる自信はある。
何といってもあたしには必殺技の股間蹴りがあるからな!!
そう意気込んだけど……
適当に入ったホテルの入り口ロビーにずらりと部屋のパネルが並んでいるのを見たらさすがに足がすくんだ。
「どこにする?」
戒が部屋のパネルを見ながら目を細めた。
「ど、どこって。どこでも……」
「あ、そ。じゃぁここでいい?広そうだし」
そう言って手前にある部屋番号のパネルの数字を手馴れた手付きで押した。
こ、こいつ―――!慣れてる!?
あたしは―――と言うと……もちろんこんなところ入るのも初めてで。
緊張でコチコチに固まっていた。
「行こうぜ」と言って戒がさりげなく肩を抱いてくる。
こいつ……やっぱ慣れてる―――??
「あのぅ戒さん??念のために聞くけど、あなたは初めてでなさそうですね?」
あたしはわざと丁寧な言葉遣いで戒をにっこり見上げた。
ちょっと笑顔が引きつってるが、気にしてられない。
戒はちょっと意味深に笑うと、
「さぁ?どーでしょうね?」
とにっこり返してきた。