。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「どした?ゲームやるんじゃねぇの?」
いつの間に手にしたのかコントローラーを握った手を軽く掲げてる。
顔にはにっこり微笑みを浮かべていた。
下心のなさそうな―――柔らかい微笑み。
あたしはほっとすると、同じようにコントローラーを握って戒の隣に腰を下ろした。
テレビの画面がぱっと変わってゲームが始まると、あたしは緊張を解いてゲームに熱中した。
だがしかし……
『You WINNER!』
機械の声が無情に響いて、戒がにやりと笑う。
か・ん・ぱ・い………
くっそぅ。ゲームでもこいつに勝てないなんて。
こいつに苦手なもんとかあるのかな。
あたしはご機嫌な様子でゲームに熱中する戒をちらりと盗み見た。
こうやって見ると……
ホント普通の男子高生にしか見えないけど。
いや、歳だけならこいつもあたしと同じ高校生だけどな。
あたしはコントローラーを握りなおして、ちょっと力を入れた。
―――…あれ?
指先に力が入らないや。
ゲームに熱中しすぎて痺れたのかな?
ま、いっか。そのうち治る……
なんて考えてたけど、手の痺れは治るどころかどんどん酷くなっていく。
そのうち足先までも痺れだした。
さっきの緊張が今頃になって体にきたのかな?
なんて考えてあたしは深く考えないようにゲームに熱中した。