。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
だけど痺れは一向に治らない。
指先が思うように動かなくて、あたしは戒に惨敗。
「どした?具合でも悪いのか?」
さすがに不審がって戒があたしを覗き込んできた。
「へ、へっき!ちょっと疲れただけだと思う」
「そう?」
戒は気にしてない様子で再びテレビの画面に目を移したが、ふいにテーブルに置いたケータイが鳴って戒が顔をしかめた。
チャリラ~チャラリ~♪
ん??このメロディは…
極妻!!!
いつかリコの家に行ったときにあたしのケータイが鳴ったときのメロディと一緒!!
勝手に着メロ変えたのはこいつか!!!
あたしは思わず戒を睨んだけど、戒は全く堪えてない様子でケータイを手に取った。
「わり。ちょっと電話…」
そう言ってその場で電話に出る。
「―――もしもし?―――おぅ久しぶりやな!」
電話口から僅かに洩れてくる声は野太い男のものだった。
地元の友達だろうか。
女じゃないことにちょっと胸を撫で下ろす。
って!!あたし!なに安心してンだよ!!!
そんなことを考えながら、あたしは手のひらを広げてちょっと指を動かした。