。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
乾いた目を閉じると、ふっと気配を感じてあたしは目を開けた。
すぐ上に戒の顔が間近にあってあたしは飛び起きそうになった。
だけど体は言うことを聞かない。
戒は不敵な笑みを漏らしながら、
「わり。今俺取り込み中なんだワ。また後でかけ直す」と言って電話を切った。
ケータイをパチンと閉じると戒はベッドの上の方に放り投げた。
「……な、何……?」
あたしは笑顔を引きつらせながら戒を見上げた。
「やっと大人しくなったな♪と思って」
戒がにっこり笑顔を浮かべる。だけど笑顔の裏側の黒い部分が隠しきれてない。
隠すつもりもないらしいけど。
まるでこうなることを予期してたみたい。
「お…お前、コーヒーに変なもん入れた?」
「コーヒーじゃねぇよ。最初は俺が飲んでただろ?」
そうだよな…でもこいつはなんともなさそうだし…他に何か……
「入れたのはガムシロとミルクの方♪お前は疑い深いから絶対俺の方のコーヒーを飲むと思ってた。だからちょっとガムシロとミルクに細工したんだ♪」
にっと白い歯を見せて戒は笑うと、背後から注射器を取り出した。
な……
な~~~~~!!!!!