。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「何で殺したか…聞かねぇの?」
「聞いて欲しいの?」
メガネのときの声音だった。
その優しい声が―――今のあたしにとって
慰めにもならない。
「聞いたらあんたどん引きだぜ?」
あたしは襟から手を離すと、戒の体を軽く押しやった。
力を入れてなかった戒が、わずかに後方によろける。
だけど戒はすぐに体制を直すと、襟元の皺を直した。
「まぁ興味深い話ではあるな」
ちょっと笑みを湛えると、虎間のくすぐるような低い声で囁いた。
あたしの話を聞いていつまでそう余裕ぶっこいていられるか―――
見ものだな。
あたしはふっと笑みを漏らした。
「先代は叔父貴の実の弟で、名は
龍崎 雪斗(リュウザキ ユキト)って言うんだ」
「へぇあいつ弟居たの?そのことには何も触れてなかったな。お前からするともう一人の叔父貴ってとこ?」
あたしはゆっくり頷いた。