。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
予感!?
それが戒の腕であることに気づくのに数秒かかった。
こいつの腕はやっぱり温かくて、優しさに溢れてる。
好き―――とかじゃないけど、ひどく安心できる。
「……へん」
戒の押し殺すような震える声が聞こえて、あたしはこいつの腕の中でちょっと身もだえした。
「…何?」
「許さへん!!そいつマジで許さへん!ぶっ殺してやる!!!!」
初めて聞く怒気を含ませた、低い声。
ぴりぴりと殺気が見えないオーラになっていて、触れたら怪我をするだけでは済まなさそうな、そんな危険をはらんでいた。
メガネ2号にちょっかいかけらてたときも、暗い夜道で強姦魔に襲われそうになったときも、キモ金髪野郎から助けてくれたときも
こいつはいつだって殺気だってた。
でも―――今までの非にならないぐらいの怒りと、憎悪がまるで圧迫するかのように迫ってくる。
ぞくり、とした。
こいつが押し隠している殺気はいつだってあたしを驚かせる。
でも……なんでかなぁ
あたしそう言ってくれて
嬉しかった。
「ぶっ殺してやる……って……もぉ死んでるって……」
笑ったつもりだったけど、声は涙で震えていた。
戒はあたしの頭を優しく撫でると、
「安心しい。もう俺が怖い思いさせへん。
俺がお前の過去ごと全部受け止めて、必ず幸せにしたる。
俺がお前を守ってやる」
叔父貴と同じ台詞。
あのときはただ悲しかっただけなのに―――
今はこんなにも
温かい。