。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
戒は欠伸を漏らすと、
「お前覚えてないの?あのまま抱っこしてたら寝ちまったんだよ。ってか三親等内ってどんな夢?お前難しい言葉知ってンな」
と、遠くを見るような視線で流し目をした。
わ゛!わわっ!!
その視線色っぽい…ってか、エロい…!!
あたしはその視線からぱっと目を逸らすと、戒の向こう側を見た。
大型の薄いテレビとソファセット。
見慣れない光景…つまり、まだホテルの中だ。
当然だけど。
ってか!!
眠りこけるあたしってどーよ!!?
危機感無さ過ぎ!
でも
こいつの腕はあったかくて、すっごく安心できたんだ……
危険なんてちっとも感じなかった。
「…ったく。好きな女が俺の腕の中にいるってのに、何にもできなくて俺ぁ生き地獄だったてーの!」
戒がちょっと疲労を滲ませて吐息をついた。
前言撤回……
このままくっついてたらヤバイ!!
いつ、また戒が野獣になるか分かったもんじゃない!
あたしは戒を押しのけると、がばと身を起こした。
幸いにも枕元のデジタル時計は16:40を指していた。
「か、帰るぞ!」
焦るように早口で言うと、あたしはベッドを飛び降りた。