。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
急いで玄関まで迎えに行くと、リコと千里が居心地悪そうに突っ立っていた。
ものめずらしそうにしげしげと眺め、組のもんが2、3二人を取り巻いている。
リコはあたしを見つけると、
「さ、朔羅ぁ」
とほっと安心した声を出した。
今にも抱きついてきそうな勢いだ。
そうだよな。こんな極悪集団の中にリコみたいな可愛い子リスちゃんが来たら絶対怖い思いするよなぁ。
「朔羅…今日ガッコに来なかったね。龍崎くんも…」
リコが耳打ちするようにそっと囁いた。
「あー…うん…、ちょっと行きづらくて。リコと千里は?昨日あんな目に合ったってのにもう大丈夫なの?」
「…うん、うちらは何とか…。でも進藤先輩は来てなかったよ」
進藤…って誰だそれ??
「あの金髪野郎だよ。もう忘れてンのか?」と千里が呆れたように言った。
「ああ…キモ金髪野郎!いっつも本名忘れちまうんだよな~」
なんて話しながら、あたしは二人を招き入れると、茶の間に通した。
茶の間にはくつろいでいた組員たちが居て、あたしが説明するとどこからかわらわらと他にもんも集まってきた。
ずらりと並ぶ野郎どもの顔、顔、顔。
みんな興味津々に目を輝かせている。
まぁ無理もないか。
あたしが友達を家に連れてくるなんて初めてだもんな。
「あれがお嬢の友達?へぇ可愛いじゃん♪」
「あの男は何もんだ??はっ!まさかお嬢の彼氏!!野郎!!!許せねぇ!」
方々でそんな野太い声が聞こえてきて、リコと千里が身を縮める。
バンっ!!
あたしは身を乗り出してちゃぶ台を思い切り叩いた。
「てめえら!!!あたしの連れに手出してみろ!!?東京湾に直行だ!!!」
「「「へ、へい!!」」」
一喝すると場はしんとなったものの、代わりにリコと千里は驚いてあたしを見上げてきた。