。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
や……やっちまった……
「い、いつもこうなの?」
リコが怯えた様に千里に耳打ちしている。
「いや…俺も見たのは初めて……」
やばい!!
ビビらせてどーすんだ、あたし!!
コホン
わざとらしく咳をして、あたしは二人を見た。
「……と言うわけで、あたしんちは紛れもなく極道一家ってわけ。リコを家に連れて来れない理由分かったでしょ?」
「…う、うん。そうだよね……」
気を取り直して、あたしはリコを見ると眉を寄せた。
「ごめんね、リコ。ずっと黙ってて……」
「…………ま、まぁ昨日知ったときはびっくりしたけど。だけど、納得」
リコは怖がりながらもちょっと笑顔を浮かべた。
無理をしているのは明らかにわかったけど、それでもリコの笑顔を見れたことにほっと安堵する。
「でも……やっぱ教えて欲しかったな。あたしら友達じゃん」
あたしはリコを見下ろしながら眉を寄せた。
「だって……知ったらリコ離れてっちゃうかと思ったもん……」
声が小さくなる。
今だって怖い。リコが離れて行くんじゃないか、ってびくびくしてる。
リコはちょっと気丈に顔を上げると、あたしを軽く睨んだ。
「朔羅のバカ!そんなんで友達やめるとかなんてないよ!!だってあたしたち親友でしょ!!」
「リコ……」
「俺だって、友達だってこと忘れるなよ」
千里もちょっと笑った。
「……千里」
「あんたたち、あたしと友達でいてくれるの?」
「「あたりまえだよ」」
二人のにこやかな笑顔を見て、あたしは不覚にも泣きそうになった。
あたし
こんなにいい友達を持って幸せ者だぁ