。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
それにしても…
あんな風に囲まれてる戒を見ると何だか胸の奥がムカムカ。
じぃと睨みつけてると、隣でリコが
「妬きもち?」とにやにや笑ってきた。
「ちがっ!!」
と言って、あたしはまた戒の方を見た。
可愛い女の子たちに囲まれて、戒は楽しそうだ。
中にはさりげなくボディータッチをしている女の子もいる。
触ンじゃねぇよ!
………
「……違くない。妬きもちだ。触ンなよ、って感じ」
「でもあいつも囲まれてまんざらじゃなさそうジャン」
と千里が嫌味ったらしく笑う。
面白くなさそうに、あたしは自分の席に着くと乱暴に鞄を置いた。
「あらら~妬きもちって、素直じゃん♪」と、リコは何故か満足そう。
「龍崎くんのこと好きなんじゃないの?」
そう言ってさりげなく隣の開いた席に腰掛ける。
「そうなのか!!?」
と千里。
あ~もうっ!うざい!!
あたしは左手の薬指を見た。
そこには昨日戒がくれた桜の指輪がはめてある。
アクセ類は校則では禁止されてるけど、みんな違反してるし咎める先生もいない。
だからつけてきた。
あたしは戒のものだって思えるから。
あいつがいくら女の子に好かれようと、あいつが見てくれてるのはあたしだけだから。
そう思いたかったから…
「あ☆かわい~♪龍崎くんにもらったの??」
リコがわくわくと瞳を輝かせて聞いてきた。
あたしの前の席で千里が「ケッ」と吐き捨てる。
戒が女の子に囲まれてることが嫌なんて、くだならない妬きもちかもしんないけど、
それでもやっぱ嫌だ。
あたしだけを見て欲しい、なんて図々しいのかな?