。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
こいつが……蠍座ねぇ。
午後の授業が始まって、あたしはメガネの後ろ姿をまじまじと見た。
サラリとしたさわり心地のよさそうな茶色い髪。
決してがっちりしてないけど、まぁまぁ幅のある肩。
ミステリアスな謎多き人間……確かに謎っちゃ謎だけど……
なんて考えてると、後ろからトントンと肩を叩かれた。
振り返ると……名前なんだっけ?あ、そうだメガネ2号だ。が、申し訳なさそうに手を合わせている。
「ねぇ、朔羅ちゃん、消しゴム忘れちゃったんだ。貸して?」
ってか朔羅ちゃんって馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇよ。
でも……
「いいよ」
あたしはペンケースから消しゴムを抜き取ると、再び振り返ってメガネ2号に手渡した。
「ありがと」
メガネ2号が消しゴムを受け取ろうとして、あたしの手をさりげなく握ってきた。
「朔羅ちゃんの手って、白くて細くてきれいだね」
え?ちょっと……!!!