。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
何触ってンだよ!
俺のものに勝手に触るんじゃねぇ!!
「ちょっと…離してよ…」
朔羅は明らかに迷惑そうに顔を歪めていた。
「おい…いい加減に……」
一ノ瀬が腰を上げるより早く、
「何触ってンだよ」
俺の手の方が一足早く、メガネ野郎から朔羅の腕を奪うようにこっちに引き寄せた。
咄嗟のことで、声を変えるのも忘れたぐらい。
俺は怒っていた。
周りの生徒たちが俺たちを注目する。
「え……龍崎…?」
メガネ野郎が俺の剣幕に気圧されるかのように、身を引いた。
だがすぐに俺をちょっと睨み上げると、
「何で龍崎が出てくンだよ?関係なくね?」と面白くなさそうに唇を尖らせた。
確かに……
俺と朔羅が付き合ってることは言っていない。
別に秘密にするとかしないとか、特に話し合ってはいない。
だけど、朔羅は付き合ってることを言われたくないだろうな、なんて思う。
周りの女子のやっかみとか妬みとかが激しそうだし、恥ずかしいとか言われそう。
短い間に色々考えて……
握ったままの手を、俺は離そうとした。