。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ギャ~~~!!!
あちこちで悲鳴が聞こえた。
殆どが女の声だったけど、男の声も混じっている。
「な、何で!!いつから付き合ってるの!?」
「朔羅ちゃん!こいつのどこがいいの??」
「それはこっちの台詞よ!龍崎くんが何で龍崎さんなんかと付き合うの!!?」
おい!
朔羅“なんか”だと!?
お前らなぁ、朔羅のことちっとも知らずにごちゃごちゃうっせーんだよ!
「大体リコだって龍崎くんのこと好きだったんでしょ?」
いきなり話を振られて、川上がちょっと戸惑ったように目だけをあげた。
「……え」
「龍崎さん酷いじゃない。リコが好きだって分かってて横取りしたんでしょ!!」
…横取りって、あのなぁ。
朔羅は俯いたまま、目を伏せている。
昨日、川上と和解したとは言えやっぱり痛いところを突かれたようだ。
朔羅は……
そう言うところすごく不器用だ。もっと上手く立ち回ればいいのに。
極道の娘なのに、人の痛みに敏感と言うか…相手のことを考え過ぎる節がある。
俺はそういう心優しいところも好きだよ。
俺は朔羅を抱き寄せると、手を握った。
不安にならなくていい。
俺が護ってやるから。
そう誓った。