。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

ギャ~~~!!!


あちこちで悲鳴が聞こえた。


殆どが女の声だったけど、男の声も混じっている。


「な、何で!!いつから付き合ってるの!?」


「朔羅ちゃん!こいつのどこがいいの??」


「それはこっちの台詞よ!龍崎くんが何で龍崎さんなんかと付き合うの!!?」


おい!


朔羅“なんか”だと!?


お前らなぁ、朔羅のことちっとも知らずにごちゃごちゃうっせーんだよ!


「大体リコだって龍崎くんのこと好きだったんでしょ?」


いきなり話を振られて、川上がちょっと戸惑ったように目だけをあげた。


「……え」


「龍崎さん酷いじゃない。リコが好きだって分かってて横取りしたんでしょ!!」


…横取りって、あのなぁ。


朔羅は俯いたまま、目を伏せている。


昨日、川上と和解したとは言えやっぱり痛いところを突かれたようだ。


朔羅は……


そう言うところすごく不器用だ。もっと上手く立ち回ればいいのに。


極道の娘なのに、人の痛みに敏感と言うか…相手のことを考え過ぎる節がある。



俺はそういう心優しいところも好きだよ。




俺は朔羅を抱き寄せると、手を握った。


不安にならなくていい。


俺が護ってやるから。


そう誓った。











< 412 / 558 >

この作品をシェア

pagetop