。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
それでもまたざわつき始めた教室に、
「あーもうっ!」
と叫んで川上が机をバン!と叩いた。
「みんな勘違いし過ぎ!あたしは確かに龍崎くんのこと好きだったけど、朔羅の方がもっと好きだったの!!
たかが男の為に友情が崩れるのが嫌だったんだよ!!」
大声で一気にまくしたて、川上は肩で息をしている。
その言葉にまた場はしんとなった。
川上…
「リコ…」一ノ瀬が宥めるように川上の肩に手を置いている。
「……リコ…」
朔羅が俺の腕の中で川上の方を見上げた。
「ホントのことだよ」
川上はちょっと笑って朔羅の肩を軽く叩いた。
それと同時に一限目の鐘が鳴り、担任が教室に入ってきた。
「鐘なったぞ~…なんだ、みんな集まって」
場違いな担任の呑気な声に、全員がばらばらと散っていく。
煮え切らない何かを抱えて、一限目が始まった。
上の空で授業を聞いて、一限目が終わると、
「龍崎くん、ちょっと良い?」と川上が俺の元に来た。
そう来ると思ってた。
俺は大人しく腰をあげ、ちょっと心配そうに後ろの席の朔羅を見下ろした。
「朔羅なら大丈夫だって。千里がついてるし」
それが一番厄介なんじゃねぇか!
そう思ったけど、一ノ瀬に朔羅を任せて俺は大人しく川上の後についていった。