。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


何触ってるんだよ!!!


あたしはそう怒鳴りたくなって、口を開けた。





その瞬間―――




空気をも切り裂くような鋭い殺気を感じて、あたしは目を開いた。


思わず上体を後ろに反らす。


それと同時に前からメガネ(初代)の腕が勢い良く伸びてきた。


グシャッと紙がよじれる音がする。


「どーぞ」


聞いたことのない低い声……


怒気をはらんだ声。ドスが利いてるっていったほうが正しいのか。




前の席から配られてきたプリントだろう。


メガネ(初代)は後ろを振り返って、その束をメガネ2号の顔に押し付けている。


「ど、どーも……」


プリントで顔が見えないが、メガネ2号の間抜けな声が聞こえた。


あたしはそろりとメガネ(初代)の顔色を窺った。



顔には笑みを湛えていたが、纏うオーラは冷たくて目に見えない静電気のような殺気がピリピリと立ち込めている。


メガネの奥の丸い瞳がすっと細められ、まるで獲物を捉えようとする蛇そのものの鋭い視線だ。




ドキリ……とした。



この感じ……、あたしはこのオーラを纏う人間をもう一人知ってる。



叔父貴―――



伝説の黄龍と同じ空気だ。









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