。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


「あたしと朔羅が出逢ったのはね、この高校の入学式だったんだ……」


聞かれてもいないのに、あたしは龍崎くんに朔羅との出会いを説明しだした。




15歳の春―――


桜が咲き誇る時期にあたしたちは出逢った。


高校生―――


あたらしい学校。あたらしい制服。あたらしい―――友達……


たくさんできるかな?あたしってこう見えて人見知りする方だから、中々自分から話しかけられないんだよね……


緊張した面持ちで教室の席についてドキドキしながら周りを見渡した。


男子も女子も、あたしの知らない顔ばかり。


高校生になるとみんな急に大人っぽくなって、どこかキラキラして見えた。


その中で一際目を惹いた女の子がいた。




栗色のふわふわした長い髪。真っ白な肌。


大きな目に、淡い桜色の唇。





美少女だった。





あたしは席順を確認すると、それが“龍崎 朔羅”ちゃんと言う名前だと言うことを初めて知った。




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