。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ドキンドキンと高鳴る心音を抑えようとして、あたしはさりげなく胸に手をやった。
癖なのだろうか。
何かあると心臓の辺りを押さえるのは……
それだけじゃねぇ気がするけど。
「メ、メガネ……?」
あたしは恐る恐る問いかけてみた。
「あ。ごめん。朔羅さんの分はちゃんとあるよ?」
にこっと、笑った顔はいつもの優しい笑顔で。
言葉も少なく前を向いたメガネ(初代)の背中は、やっぱりさっきと変わらない無防備な背中だった。
あの一瞬の殺気は何だったのだろう。
こいつ―――
何もんなんだ……?