。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
りゅ…留年…留年…留まる年と書いて留年。
あぁ!
やっちまった―――!!!
こんなん恥ずかしくて悲しくて叔父貴に顔見せできねぇ!!
ど、どぅしよ…
なんてうな垂れていると、どこからか肩をトントンと叩かれた。
「さ・く・ら・ちゃん♪」
と声は可愛らしいものの、額に青筋を浮かべてまるで鬼の形相とも呼べる戒が仁王立ちになって腕を組んでいた。
ひ、ひぃ~~~!!!
―――
人けのいない廊下の隅。
あたしは戒と向き合っていた。
人けのない廊下。しんと静まり返った空間に、恋人同士二人きり…
キャッ!ドキドキ……
―――って雰囲気じゃねぇな。
戒は据わった目であたしを見下ろしているし、あたしはと言うと蛇に睨まれたひよこのごとくびくびくと肩を震わせていた。
「留年たぁどういうことだ!!」
「ま、まだそうと決まったわけじゃないよ」
恐る恐る上目遣いで戒を見上げたけど、戒はぎろりと一睨み。
ひぃ~
はい!あたしが悪うございましたっ。口答えしません!
戒は大仰にため息を吐くと、
「俺の嫁がこんなおバカだったとは」と額を覆った。
だ!誰が嫁だ~~~!!!
ってか、まだ結婚するって決まってねぇ!