。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「あんたに関係ないじゃん。留年するのはあたしなんだから。大体あたしはまだあんたの嫁になるとか決めてないっつうの!」
「開き直るなよ。まぁ女は多少バカな子が可愛いけどな。お前のは度が過ぎてる!!」
ビシッと指差され…
「そ、そんなはっきり言わなくても…」
大体バカバカ言い過ぎなんだよ!
そんなことあたし自身充分理解してるっての!!
「大体おめぇと比べてあたしが出来ないのは当たり前じゃん。あんたホントは三年なんでしょ?」
「バカか、お前は。向こうに古文や漢文があると思うか?」
そっか…それもそうだ。ってことは、こいつは元から頭がいいってわけか……
「追試までに何とかするよ。おめぇには迷惑かけないから安心しな」
ちょっと苛だって、あたしは戒を睨むと、こいつを通り越して教室に帰ろうとした。
実際問題、どうすればいいのかなんて分かりゃしないけど。
それでもこのままだとかなりの大喧嘩に発展しそうだったから。
トンっ
通り過ぎようとしたあたしの行く手を戒の脚が阻んだ。
腕を組んだまま、片脚を廊下の壁についてちょっと顎を引いていた。
「待てよ」
「…なんだよ。説教ならもういいって…」
グイっと脚を押したけど、びくともしねぇ。
こいつの脚は……ホント強靭だ。
しかも!無駄に長い脚が憎らしいぜっ!!
戒はそのままの姿勢でゆっくりと深呼吸して、あたしを真正面から見据えた。
ドキリとするような真剣な眼差し。
「こうなりゃ猛特訓だ」