。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


へ……―――?


「追試まで一週間。猛勉強だ!俺が教えてやる」


そう言って真剣な眼差しをすると戒はあたしに迫ってきた。


な…何を考えてる……?


あたしは若干引き腰。


まぁ留年しそうな点を取るあたしが一番悪いことを知ってるから何も文句言えないけど。


あたしが目だけをキョトキョ動かせていると、戒は突然ぎゅっとあたしを抱き寄せてきた。


な!何だよ!!こいつの行動は全く読めん!!


戒の腕の中で固まっていると、戒はあたしの耳元に口を寄せ、あのぞくりとするような色っぽい声で


「大丈夫。俺が何とかしてやるよ。手取り足取り♪」


と囁いた。





んぇええええ!!




ヤバイ!!今度こそ貞操の危機!!!





―――


でも留年するわけにはいかない。あたしだって必死なんだ。


そんなわけで、追試までの猛勉強が始まった。





夜―――龍崎家の戒の部屋。


手取り足取り……なんて甘々な台詞吐いてたわりには……





「違う!!何度言ったら分かるんだ!!!」


バンっと机を叩く音がして、戒が怒鳴った。


ス…スパルタ……


心配することはなかったけど。



「戒さん、そんな怖い教え方だとお嬢が怖がっちゃいますよ。お嬢、ここの数式にはこれを……」


と、隣で説明してくれるのは、何故かキョウスケ。


キョウスケの教え方は分かりやすくてなかなかいい。


しかも戒と違って優しいし♪


「お前の為に強力な助っ人を用意してある」そう言って登場してきたのがキョウスケだった。


「強力?キョウスケって頭いいの?」


あたしの質問に、戒がふっと涼しく笑った。





「頭良いってモンじゃないぞ?こいつは現役東大生さまだーーー!!」




え?




ぇええええ!!?








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