。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

「家まで送る」と叔父貴は申し出てくれた。


それを戒が「歩いて帰るからいい」と断ったが、それでも叔父貴は「送るよ」と一言強く言って、戒もそれ以上食い下がることはしなかった。


叔父貴の一言がひどく意味深に聞こえた。


気のせいかな……?


「ほな、うちも。戒がどないなところで生活してるか見てみたいし」と姐さんもにこにこ。


戒は無言で叔父貴を睨み、そして同じように姐さんを見た。


冷たくて、何かを探るような視線。


何だろう…せっかくの親子の再会だってのに、ちっとも穏やかじゃない。


どこかぎくしゃくしてる。っても、そう見えるのは戒だけだけど。


結局、あたしたちは叔父貴の運転するセルシオで龍崎家に向かうことになった。


車の中でも戒は腕を組んでだんまり。


じっとミラーを睨みつけている。いや、ミラーの中に映る叔父貴を睨んでるって言ったほうが正しいのか。


古めかしい龍崎家の前に到着すると、家の前でキョウスケが箒で掃き掃除をしていた。


姐さんはぱっと顔に笑顔を浮かべると、車を降りた。


「響輔!響輔やないの!!いややわぁ。しばらく見ないうちに立派になって♪」


「ね、姐さん!?」


びっくりして目を丸めているキョウスケを、姐さんはあたしにしたようににぎゅぅうと胸に抱きしめた。


姐さん……誰にでもあぁなんだな…


豊満なバストに抱かれて、キョウスケもたじたじ。




隣でぼそりと戒がつまらなさそうに呟いた。



「おかんは昔から素直な響輔が大好き」







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