。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

何だ??やきもち?


ふてくされたようにしている戒が妙に可愛く思えてあたしはクスッと笑みを漏らした。


「姐さん!何でここに!?」


「こっちに着物買い付けにきたんよ。龍崎はんが懇意にしてる呉服屋があるゆうて、紹介してもろたんえ」


はぁ~そういうことだったんか…納得。


虎間の姐さんまでになれば、着物もきっと何十着、何百着と持ってるんだろうな。


今着ている着物だって、すごく似合ってるし。(っつうか、すごく高そう)並々ならぬこだわりとかあるんだろうなぁ。


「東京見物もかねてまだ二、三日こっちに居るつもりや。会いとうなったらいつでも連絡してきなはれ?」


姐さんはにこにこ言って、キョウスケの頭を撫で撫で。


「姐さん、今日はどこに泊まはるんですか?」


とキョウスケ。こいつの関西弁初めて聞いたかも。話し方が戒よりも姐さんに似ていた。


「都内のホテルや。そや、これホテルの名前と電話番号。念のため」


そう言って姐さんはまたも着物の合わせ目から白いメモ用紙を取り出し、戒に握らせた。


まるでドラえもんの四次元ポケットにように、次から次へと出てくるのを不思議に見ていると、


「ほな。朔羅ちゃん、また。今度はショッピングでもしまひょ」とにこにこ笑顔を向けてきた。


「あ、はい!是非っ」


慌てて頭を下げると、姐さんはセルシオに乗り込んだ。


「ほな」開けた窓から手を振って、車は去った。


まるで嵐のような人だったな……



ってか!!結局あたし叔父貴に聞きたいこと聞けなかったじゃん!!!!


何しに行ったんだ~~~!!!







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