。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。


まっすぐに続いた小路は大小の石畳。空は紫色に染まっていて、夕暮れどきを物語っていた。


所々に浮かぶように設置されてる石の灯篭から、オレンジ色のぼんやりとした明かりが洩れている。


だからかな?桜の花がピンク色よりも、やや赤みがかって見えるのは。


とても幻想的な光景だった。


「「琢磨」」


誰かが叔父貴を呼んでいる。


誰が―――?


そう思うのと同時に叔父貴の広い背中があたしの視界に映った。



「琢磨」



石畳の先で男女が叔父貴を手招きしている。






雪斗――――




母さん………?





雪斗は白いシャツにジーンズ、母さんは白いワンピースを着ている。


二人とも優しい笑顔を浮かべていた。


叔父貴はあたしに背を向けてるから表情は読めないけれど、叔父貴の歩く足がスピードを増した。






叔父貴―――!!



だめ!!そっちに行っちゃダメ!!!











だってあたしは思い出したんだ。






ソノ場所ガ代々ノ龍崎家ノ墓ダッタコトヲ―――








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