。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
変なの……
あたしより(たぶん)強い男が、ひどく頼りなげに小さく見えて……
そんな彼を、あたしは守りたいと思ってる。
支えたいと思ってる―――
こんな感情初めて…
「朔羅……」
戒の手のひらがあたしの頬を優しく包み込む。
あたしたちは自然に顔を寄せ合っていた。
ゆっくりと目を閉じる。
戒の吐息を間近で感じた。あの爽やかなミントの香り……
こいつぁ…なんで吐息まで爽やかなんだよ。
そんなことを思いながらも、唇が近づいてくる気配にドキンドキン…と心臓の音を高鳴らせていた。
「お取り込み中すみません」
キョウスケの声がして、あたしは目を開いた。
ぅを!!なんっつータイミングで現れるんだよ!キョウスケ!!
「お前は…いつもいつもいっつも!俺たちの邪魔しやがって!」
戒が額に青筋を浮かべている。
「すみません」とキョウスケはしれっと言う。全然「すみません」と思ってなさそうだ。
「それより、戒さん。ここは危険です。早急に抜けるのが得策かと思います」
キョウスケが声を潜めて、あたしたちに耳打ちした。