。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
相当力を入れて握ったに違いない。
鴇田は小さくうめき声を挙げて腰を折ると、その場にうずくまった。
これにはあたしも戒もキョウスケも―――更には叔父貴までもがびっくり仰天!!
「なんや、小さい男やなぁ。肝っ玉も小さけりゃアソコも小さい男やわ」
叔父貴が慌ててうずくまった鴇田の元に走りより、膝をついて鴇田の両肩を支える。
「大丈夫か、鴇田!!」
鴇田は涙目になって、姐さんを見上げていた。
いつも飄々として、憎たらしいあの鴇田に、いいざまって思いたいけど……ちょっと可哀想かも…
「なぁ…あれって相当痛いの?」
前にあたしも似たようなことこいつにかましたことある。そのときのことを思い浮かべてあたしは戒にこそっと聞いた。
「痛い―――ってもんじゃねぇな」
気の毒そうに戒は目を細めていた。
キョウスケの方も眉をしかめて、ちょっと体を後退させている。
どうやら男にとって―――それは相当堪える技らしい。
「何てことしやがンだ!」
叔父貴が姐さんを見上げて怒鳴った。
叔父貴の仁王様みたいな怒号の迫力にも、姐さんは顔色一つ変えなかった。
さすが虎間の姐さん!
「何って!?青龍の男やと思うて、大人しいしとったけど、あんたらあての倅をバカにしたんやで!!
白虎をバカにしたんも同然やわっ!!
これ以上舐め腐ったまねしてみぃ!二人まとめて大阪湾に沈めたるわ!!!
覚悟しいや!!!」
姐さんは着物の合わせ目から足を出すと、近くの一人掛けソファにドンっと脚をついて迫力のある啖呵を切った。
こっちも…すっげー迫力……
マジもんの極妻登場だっ!!!