。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「ここの野郎どもを兄ちゃんだと思いなよ。
そりゃみんなガラは悪いけど、根は良いヤツなんだ。
な」
あたしは至極真剣に、メガネの目をまっすぐに見て言い切った。
メガネ(名前)のメガネの奥で、琥珀色の目がびっくりしたように瞬いて、瞳の奥がゆらりと揺れた。
「お前が苛められないよう、組のもんにはきつくあたしの方から言っておくから。気にするな」
「……え…うん」
メガネはまばたきしながらようやくゆっくりと頷いて、魔法が解けたみたいにふっと笑った。
「ありがとう。朔羅さんってやっぱり優しいね」
やっぱり?
優しい??
いやいやいや……そんなこと言われたの初めてだよ。
あたしは急に恥ずかしくなって、ぱっと腕から手を離した。
ゴシゴシゴシ
無言で皿洗いに没頭する。
パシャンっ
水が跳ねる音がして、
「わっ」
メガネが声をあげた。