。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
叔父貴の香りをいっぱいに感じると、柔らかい感触を額に感じた。
いつかしてくれた。おでこへのキス……
目をそろりと開けると、叔父貴の顔がゆっくりと遠ざかっていった。
ギシっと音を立てると、叔父貴は手をついて体を起こした。
そしてふいと顔を逸らす。
「俺ぁ雪斗と違って、お前が嫌がることなんてしねぇよ。怖がらせて悪かった」
その整った横顔からは何も読み取れなかった。
あたしも慌てて起き上がる。
「叔父……」
呼びかけは、叔父貴の声で途切れた。
「だけど。
雪斗の気持ちが分かったよ」
叔父貴―――……?
それってどういう……
問いかけようとしたけど、言葉は出てこない。
あたしに背を向けていた叔父貴は、首だけを捩りちょっと切なげに笑った。
「今日は俺は向こうで寝るよ。だから安心しろ」
叔父貴はあたしが口を開きかけようとしていたのを、わざと無視してきびきびした足取りで部屋を出て行った。
後に残されたあたしは―――