。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ベッドの上に転がっているケータイを手に取った。
『おい!朔羅!!大丈夫か!?』
必死な声は、まるでケータイが壊れそうな程迫力を帯びていた。戒の声でビリビリ振動しているように見える。
あたしはのろのろとケータイを耳に当てると、
「………大丈夫…だよ」と何とか答えた。
『朔羅!無事か!!?あのおっさんに何もされてないか!!?』
「戒ってば何変な想像してんだよ。叔父貴はあたしを姪としか見てないよ。あたしに何かするわけ……」
俺はお前を―――…………
叔父貴はあのあと何を続けようとした。
それはあたしが望んでいた言葉じゃないのか……?
ううん。そんなことあるわけない。
あるわけないんだ―――
「大丈夫だよ。ちょっと電話の声が煩かったみたい。ちょっと怒られただけだから」
あたしは自分の考えを打ち消すために、わざと空元気に答えた。
『…そぅか?それならいいけど…って、よくねぇか…』
あたしの言葉が信じられないのか、戒はどことなく消化不良だ。
『―――朔羅、待ってろ。
必ずすぐにお前を取り戻してみせるから』