。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
*鴇田Side*
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俺が始めて龍崎 琢磨と出逢ったのは、彼がこの世に生を受けたその日。
俺は当時十二歳だった。
「龍崎組、組長のところに若が産まれた。お前も会ってくるがいい。俺達鴇田組は青龍の補佐をする影。将来、お前の主となるお人だ」
そう言われて、連れて来られたのが龍崎家だった。
まだ赤ん坊の会長は、立派な桜が見える和室で、寝かされてた。
白いおくるみに包まって、生まれたての赤ん坊は心地良さそうに寝息を立てている。
「挨拶ったって、寝てンじゃん」
母親は不在で、通された俺は赤ん坊と二人きり。
どうすればいいのか分からず、それでも興味のあった俺は赤ん坊をそっと覗きこんだ。
白い餅みたいな頬に、淡いピンク色が浮かんでいる。
俺が覗き込むと、赤ん坊は大きな目をぱっちりと開けた。
俺に気づくと、ちょっと笑った―――ように見えた。
どうしよう……可愛いかも…
そっと赤ん坊の手に自分の手を伸ばすと、赤ん坊は俺の指を必死に握ってきた。
初めて触れる赤ん坊の手は、思いのほかちっちゃくて、温かくて―――びっくりするぐらいの力強さだった。
その小さな手は俺が離れていかないよう、必死に握り続け、俺もまたそっと握り返した記憶がある。
その時俺は運命を感じた。
俺は生涯この人を守り抜き、一生の忠誠を誓うと―――
たとえどんなことがあろうと…
どんな。