。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「会長はお忙しいので、私がお迎えにあがりました」
鴇田はなだらかにハンドルを操りながら、前を向いて言った。
今は鴇田と二人きり。
意外だったのは、鴇田は安全運転だということ。
でも慎重過ぎるほどののろのろ運転じゃなく、やたらめったら飛ばさないということだけだ。
無理な車線変更もしない。
マサの運転に比べると、随分安心して乗れた。
マサ……たった一日会ってないだけなのに、随分と昔の気がする。
みんなどうしてるだろうかな。
タク、サスケ、タイチ……キョウスケそれから―――
戒―――………
「なぁ、戒はどうなったの?姐さんはあいつをどこに連れてったの?…って、お前が知るわけないか」
言って、あたしはため息を吐いた。
「虎間の倅でしたら、姐さんが大阪に連れ帰りましたよ。どうやら向こうの病院で静養させるつもりらしいです」
「え!?大阪??あいつ、もう戻ってこないの!!?」
思わずあたしは勢い込んだ。
鴇田はちらりとあたしを見ると、ふっと涼しく口元に笑みを浮かべた。
ぞっとするような、冷たい笑み。
「そんなに心配ですか。あのガキが」
「あ、当たり前だろ!!?だって彼氏なんだから!!!」