。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
ライバル!?
食事の後片付けも終えて、風呂に入ってなんてしてると時間はもう夜の12時を回っていた。
あたしはホットココアを手に、部屋の前の板張りの縁側に腰掛けた。
あまり手入れがされてないむきだしの土の上に、飛び石があって桜の木の下まで続いている。
ここの桜は―――長生きだ。
他ではもうとっくに散っちゃったけど、ここのだけは未だ満開を誇っている。
淡い紅色をした花びらが緩やかな風にのって、ひらひらと舞っていた。
空を見上げると、まるで上質なビロードを敷き詰めたような瑠璃色の空が広がっている。
桜の花びらが舞って、まるで点在する星と一体化しているように見えた。
死んだ母さんはここの眺めが好きだった。
あたしが生まれたときも、この景色を見て名前を決めたそうだ。
もう16年前の話か……
叔父貴は当時、11歳だった筈。
11でも―――
恋はするんだよな。