。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
そう言えばこいつどこまでうちの事情を知ってんだ?
母親が死んでるってのは知ってるという素振りだ。
「朔羅さんのご両親が亡くなってることは琢磨さんに聞いてるよ」
「琢磨さんん!?」
あたしはメガネを見て素っ頓狂な声を上げた。
「だって、戸籍上ではそうだけどお父さんって呼ぶ歳じゃないし、お兄さんでもないし。琢磨さんが一番しっくりくるかな、と」
メガネは何がおもしろいのかクスクス笑った。
何だかからかわれてるようで、あたしはふいと顔を逸らした。
何だかなぁ。
同じ歳だってのに、こいつは妙に大人びてる。っていうか、世慣れしてる感じだ。
それともあたしがまだまだ子供ってことなのか?
あたしはもう一度メガネの横顔を見た。
メガネは口元に優しい笑みを湛えたまま、ココアのカップに口をつけてる。
わっかんねぇな……
「分かんなくていいんだよ。今は……」
メガネは視線を前に向けたまま口だけを動かせた。
「え?」
何で?何であたしが考えてたこと、こいつには分かったんだ!?