。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
その晩は眠れなかった。
何であいつが“黄龍”のことを知ってるのかって色々考えてたけど、考えてたけど……
考えてた……ケド
どうしても想像があらぬ方へ行ってしまう!
叔父貴はノンケだから大丈夫だと思うけど……あいつ、あのメガネ並の女より整った顔してるから、叔父貴もほだされたら……
ブ―――
「いけねぇ、想像したら鼻血が……」
――――
というわけで朝を迎えてしまった。
げっそりとやつれた顔をしてたら、すれ違う組のもんに心配された。
朝食もそこそこに半ば逃げるように家を出てきたけど……学校もクラスもメガネと一緒。
あたしの逃げ場なんてどこにもねぇ。
「朔羅おは……」よ、と言いかけたリコがあたしを見てびっくりした。
「どぅしたの?顔色悪いよ」
「いゃちょっと妄想が……じゃなくて想像が……」
ふらふらしながらリコに抱きついた。
リコはいいなぁ。ふわふわで温かくて、いい香りがして。
うちのむさくるしい野郎共と大違いだ。癒される……
って。
あたしはガバっとリコから離れた。
「どうしたの?」
「うん……、あたし頭の回線がいかれちゃったかも。ちょっと保健室に行ってくる」
「?」
やっべぇ!あたしまで変な方へ行きそうになった。
あたしはダッシュで保健室に向かった。