。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

その晩は眠れなかった。


何であいつが“黄龍”のことを知ってるのかって色々考えてたけど、考えてたけど……


考えてた……ケド



どうしても想像があらぬ方へ行ってしまう!


叔父貴はノンケだから大丈夫だと思うけど……あいつ、あのメガネ並の女より整った顔してるから、叔父貴もほだされたら……



ブ―――


「いけねぇ、想像したら鼻血が……」








――――


というわけで朝を迎えてしまった。


げっそりとやつれた顔をしてたら、すれ違う組のもんに心配された。


朝食もそこそこに半ば逃げるように家を出てきたけど……学校もクラスもメガネと一緒。


あたしの逃げ場なんてどこにもねぇ。





「朔羅おは……」よ、と言いかけたリコがあたしを見てびっくりした。


「どぅしたの?顔色悪いよ」


「いゃちょっと妄想が……じゃなくて想像が……」


ふらふらしながらリコに抱きついた。


リコはいいなぁ。ふわふわで温かくて、いい香りがして。


うちのむさくるしい野郎共と大違いだ。癒される……




って。




あたしはガバっとリコから離れた。


「どうしたの?」


「うん……、あたし頭の回線がいかれちゃったかも。ちょっと保健室に行ってくる」


「?」



やっべぇ!あたしまで変な方へ行きそうになった。



あたしはダッシュで保健室に向かった。







< 64 / 558 >

この作品をシェア

pagetop