。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
あたしは買ってもらったばっかりのケータイを手に、そっと叔父貴に寄り添った。
「撮るよ~」
「もっと近づかないと、入らんだろう」
叔父貴があたしの頭に手を回し、ぐっと自分の方へ引き寄せる。
洗い立ての髪や首筋から、石鹸のいい香りが漂ってくる。
わ!
う、嬉しすぎて心臓が!顔がっ!!
カシャッ
小さなシャッター音が聞こえて、あたしはケータイの画面を覗き込んだ。
まるで恋人のように寄り添った二人。
叔父貴は相変わらずクールな微笑を湛えていて、超かっこいい。
引き換えあたしは……
「あたしちょっと顔にやけてないか?」
「そっか?可愛いと思うが?」
か、可愛い!!?
「これっ!絶対永久保存!!」
あたしはボタンを押して早速画像を保存した。
「メガネに自慢してやろっ。あいつ絶対悔しがるはず」
いししと笑って、あたしはケータイを閉じた。
「自慢?悔しがる?」
叔父貴が怪訝そうに眉を吊り上げた。
「あいつは叔父貴が好……じゃなくてっ叔父貴の信者っぽいところがあるからっ」
あたしは慌てて言った。
危うくホントのこと言っちまうところだった。
メガネの気持ちは、例え叶わなくても、正しくなくても
あいつだけの気持ちだ。
容易にあたしが喋っていい筈もねぇ。