。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。

へ……?


声を出すより先に叔父貴の唇が、あたしの首元に吸い付いた。


「わっ!」


慌てて枕を離したけど、叔父貴の顔はあたしの首から離れなかった。


口付けを落とすって言うより、肌を強く吸われてる感じ。





この感覚は……



以前にも覚えがある。







『朔羅……、お前は俺のものだ。一生。誰にも渡さない』





葬った筈の記憶。“あの男”の言葉が甦る。




あたしは目を開いた。







開いた目は乾ききっていて、そこから何も出てこないはずだったのに。


ふいにそこから涙が出そうになった。




違う……



叔父貴はあいつとは違う。



叔父貴の唇は優しくて、優しくて……まるで壊れ物を扱うような繊細なものだ。


いつだって乱暴だった“あの男”のものとは全部が違う。





違う。









< 90 / 558 >

この作品をシェア

pagetop