。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「朔羅……?」
叔父貴はあたしの首から顔を離すと、心配そうにちょっと眉を寄せた。
「そんなに固まって……恐かったか?」
知らずの内に力を入れてたのだろう、あたしは両手を胸の前に当て、拳を握っていた。
叔父貴がそっとあたしの手に触れる。
あったかい、大きな手。
あたしの大好きな手。
「ちょっと…びっくりして」
あたしはできるだけ自然なように振舞った。
叔父貴の黒曜石のような漆黒の瞳が、また揺らぐ。
だめだ。
この人に、あたしの不安を悟られちゃなれねぇ。
「叔父貴……キスして?」
あたしは頭に浮かんだ“あいつ”の顔を消し去るように、あたしの中の正直な気持ちを口にした。