。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「はぁ!?」
妬きもち!?叔父貴がぁ!?
「な、何で!!?」
「だってお前戒のことばっかり聞きたがるから」
あたしのお腹の辺りに回った腕に力が籠った。
苦しくはないけど、いつも威風堂々としている叔父貴らしくないって言うか…。
でも……
妬きもち妬いてくれたってことは、ちょっとはあたしにも見込みがあるってことだよな!
それに、何だかいつもの叔父貴らしくなくて可愛い。
あたしは嬉しくなって、叔父貴の腕をぎゅ~と抱き込んだ。
叔父貴は片方の腕だけをそっと抜いた。
「きれいだな」
ちょっとだけ体を捻ってあたしは叔父貴を見上げると、叔父貴は枕に肘を付きそこに顔を乗せて、ちょっと目を細めていた。
目の前の桜のジオラマをまるで愛おしいものでも見るような慈愛に満ちた目で見つめている。
桜を見つめるその姿もかっこよくて思わず見惚れちまうけど、叔父貴は桜の向こう側に何かを見ようとしていたのが分かった。
何を見ているの?
何を考えてるの?
ねぇ―――あたしに誰を―――重ねてるの…………?
そんな疑問が頭を過ぎったが、言葉にはならなかった。