。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
「朔羅……俺があげた香水使ってるんだな。お前、いい匂いがする」
叔父貴は桜のジオラマから目を離すと、チュっとほっぺたにキスをくれた。
だって叔父貴がくれた香水だもん。
大事に使ってるよ。
「なんか、桜に抱かれてるみたいだ」
あたしはちょっと目をまばたいた。
ちょっと発音を変えると…
『朔羅に抱かれてみたいだ』
ギャァ!!!
叔父貴……その言い回しなんかエロいよ!
「ははっ」そんなことを思ったあたしは曖昧に笑った。
「ずーっと、お前と一緒に居られたらいいのに……」
ふいに叔父貴の切なそうな言葉が降って来た。
なん……で、そんなこと急に……
「来る春も、来る春も……こうしてお前と一緒に桜を愛でられたらいいのに」
何でそんなこと言うの?
まるで叔父貴がどこか遠くへ行っちゃうような……
あたしの手の届かない、遠くへ遠くへ……
行っちゃうような
そんな気がした。