。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。
心の中に芽生えた一抹の不安。
焦燥感にも似たようなその酷く哀しい思い。
「なぁに言ってるんだよ。来年も再来年も5年後も10年後もずぅっと一緒だよっ」
あたしはわざと明るい声で言った。
だけど無理やり作った笑顔は、奇妙に歪んで複雑な表情をつくる。
2年前の“あの夜”叔父貴と誓った言葉をふいに思い出す。
「叔父貴……
あたしたちは、つがいの龍だ。
二人で一つ。
離れることなんてねぇよ」
叔父貴があたしの背後で小さく吐息のような笑みを漏らした。
「そうだったな」
叔父貴は自分が言った言葉を今更思い出したかのような口ぶりで言った。
だけど忘れていたわけじゃない。
叔父貴の中でその言葉が色あせているというわけじゃない。
ただ、遠くへ行きかけていた誓いを、必死になって手繰り寄せてる。
そんな物言いだった。