唇にキスを、首筋に口づけを



新しいバイトは私の最寄りから3駅行った所。



また同じ接客業だ。



24時間営業のファミレスで、駅近。
4時から11時のシフトと、かなりハード。


けど、この時間なら爽哉が狩りの帰りに迎えに来れる!っと大賛成でココに決まった。




ま、
あのヴァンパイアが私のバイト先を知っているから少し離れた方がいいし。





「じゃあゆりなさんもう上がって平気よー。」



私は毎日バイトに出ているからか、すぐに慣れて、皆さんと仲良くさせてもらってる。



「あ、はい!ありがとうございます!」



時間を見ると11時10分前。



はー今日も終わったー。



そう思って私はロッカーから自分の服に着替えた。




そしてケータイを見ると、爽哉から連絡がきていた。




【もういるよ】



短文で綴られているのはいつものことだ。



それが送られてきていたのは2分前。



いい時間だ。



そう思ってバックヤードから出ると、

大学生で私より一つ年上の男の先輩と鉢合わせした。




「あ、お疲れ様でした。」



私は軽く会釈した。



「お疲れ様!」



先輩も笑顔で言ってくれる。


イケメンとはいかないが、笑顔がとても素敵な人だ。



先輩は毎日チャリらしく、

駐輪場まで流れで一緒に歩く。



「女の子なのにこんな時間まで働いて、大変だね」




「いえいえーそんなことないですよ!」



「にしても、毎日迎えにくる彼は彼氏?」




「まさかー!そんなことないですよ!」



「え!それは意外!

絶対に彼氏だって、シフトの皆と話してたんだよー」



「えーそれは誤解です!!」



はははーと笑っていると駐輪場までやってきた。



それじゃ!なんて、爽やかに去っていく先輩。




さあ、私も爽哉の所へ・・・。



なんて思って振り返ればすぐにそこに爽哉はいた。



「ああ、爽哉!」



私は軽く手を上げる。



・・・?


爽哉は何故かむすっとしてる。



「どうかした?」



私は心配にって爽哉を覗き込む。



「別に・・・」



ふいっと、めをそらされてしまった。




なんなんだ急に・・・。



そう思うと、唐突に爽哉に腕をぐっと掴まれた。



おおっと、なんて思っていると引きずられるみたいにバイクの後ろに座らせれ、ヘルメットを渡された。




無言だし。



「なんかあったの?」




「・・・」



返答なし。



・・・イライラしてる?



そう思ううちに、バイクが出され、


いつもよりもスピードが出ている気がした。


< 100 / 257 >

この作品をシェア

pagetop