唇にキスを、首筋に口づけを
「うっちー元気してる?」
「うん、元気してる。」
「何か卒業してから進展あった?」
「進展?
何の?」
「うっちーが色々と迫ってきたりとか?」
コテン、と首を傾げた彼女。
「ブッ・・・!!!」
私は吹いた。
「汚い」
彼女は蔑むような目で言った。
「・・・何度も言うけど、
私達そういうのじゃないからね?」
有り得ないでしょ、
爽哉と恋愛的な関係になるのは。
「・・・ふーん」
彼女は不満げに言う。
「絶対うっちーはゆりなのこと好きだと思う。」
「ないない、有り得ない」
私は胸の前で手を振る。
「・・・まいっか、
じゃあいい加減うっちー以外の男と絡みなよー?
いっそここで彼氏作れ。」
「・・・やめとくよ」
いつのまにか、
私達は会場であるお店の前に来ていた。
私は絶対に彼氏を作らない。
決めてる、これは。
高校生のうちはいいと思ったけど、
私の体質・・・というか結界師という能力は相手にとって重いだろう。
「入るよー」
私は彼女の後ろに続いた。
はいよー、とか言いながら。
――――――
私はカラコロと、
飲み物の氷をストローで弄っていた。
定番に、自己紹介をし、
それからまあ会話をしはじめるわけだけれども。
私は最初っから興味なさ気にしてたから絡まれることもなかった。
1時間くらい経過しただろうか。
あー、帰りたい。
ヤバい、ホームシック。
いいや、トイレ行こう。
そんでトイレから帰ってきたらテキトーな理由つけて帰ろう。